JOURNAL

ジャーナル

2023年11月05日

インタビュー

じっくり向き合うことで、絵とも人とも”濃い関係”が築けるように

アートって、なんの役に立つの?そんな疑問を感じる方も多いかもしれません。このコラムでは「大人のやさしいアートゼミ」を通して起きた変化を、ご参加者にインタビュー!それぞれの方の楽しみ方や、アートから受け取ったものをお届けしていきます。
第1回目はart base株式会社 山岸甲子郎さんに話を伺いました。

1. 参加のきっかけは?

これまで芸術との接点はほぼなかったですね。ダンスは見に行ってはいましたが、美術館も積極的に見ていたわけでもなく素通りするぐらい。アートに関して知識が圧倒的にない自分でした。ある時Voicy(音声メディア)で、アートゼミ主宰の静香さんがすごく情熱を持って絵の話をしているのを聞いて、「自分はアートに対してなにも感じられてない。けど知識があれば濃く受け止められることがあるかもしれない。」そう興味を持ったのがきっかけです。

2. どこに面白さを感じてますか?

さくっとアートゼミでは、30分ぐらい1枚の作品と向き合うんですが、これがそもそも貴重です。美術館に行くと前後にいる人のペースが気になっちゃうじゃないですか。そういうこともないですしね。あと、周りの人の発言を聞いて「あ、そういう見方もあるのか!」と、驚きがありますね。
鑑賞以外の側面だと、朝7時に身だしなみから気持ちまで、ちゃんとした状態でいるために生活が整えられているのも良くて、そんなことも含めてアートゼミが大好きです(笑)

3. 参加して変化を感じることはありますか?

自分は野球のための土台作り等を提供する会社をやっているのですが、もともとかなりジャッジが早いんですよ。「いいね!」とか「これやろう!」とか。逆に「この人成長しないな」って思うとすぐに見切りをつけたりしてたんです。

アートを見てから、そこに対してのゆとりができたというか、自分の視点だけが全てではないと感じるようになりました。「この人は今こういう状態だけど、もしかしたら事情があるのかもしれない」と。1枚の絵をいろんな角度から眺めるように、人と関わるときにも余裕を持って相手のことを想像するようになりました。お客さんともより深く向き合えるようになったのは大きな変化ですね。
そしてやっぱり、生活も変わりましたよね。絵をじっくり見るように日常に向き合うと、感じられることが広がって自分の引き出しも増える。その結果絵をまた深く見ることができる。

なのでアート鑑賞がどんどん楽しくなってます!この間は、エゴン・シーレの作品を前に、30分ぐらい離れられなくなって、頭を殴られたような衝撃を受けました。こんな風に作品を感じたのは初めてでしたね。

4. どんな楽しみ方をおすすめしますか?

分からないものに向き合うことを楽しむのがいいですよね。何かに活かそうとか、ビジネスのために効率的に知識を得ようとするよりも。個人的にはその時間、作品にしっかり向き合うことを意識しています。

アートゼミを通して、情報を受け取るアンテナ(知覚力)がグンと伸びていて、絵やダンスを見ることがとにかく楽しいと話す山岸さん。その結果、日常でも人や物事とよりじっくり向き会えるようになっているお話が印象的でした。アートゼミにはいろんなスタイルで楽しんでいる方がいるので、またご紹介していければと思います!

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